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エアコンのリコール

近年、宅地建物取引においても付帯設備について無視できなくなりつつある。宅建業者がみずから売主になる物件の場合は特に気をつけなければならないが、売主から売却を依頼された仲介の場合でも、後々のトラブルが発生することを考えれば、しっかり説明しなければならないだろう。

manyuuさんによる写真ACからの写真以前あった話だが、売却物件に設置されているエアコンがリコールの対象になっていたことがあった。

通常、付帯設備表を作成するために実査を行って設置されている設備を一通り調べ、型番と明確であれば製造番号まで控えておく。

その時、他の機器で詳細不明なものがあったため、たまたまエアコンについても型番をネットで検索したところ、「メーカーのページに製品改修のお願い」というページが出てきた。

売主の方も問い合わせたものの修理歴については把握してないということだった。メーカーのコールセンターに電話で問い合わせたところ、オペレーターから製造番号を…と言われた。製造番号も控えようとしてものの、設置場所の状態も有り製造番号が確認できなかった(機械設備の際に携行するインスペクションミラーをもっていけば良かったのだが、失念していた)。
ただ、設置場所から調べてもらい、どうやら改修が済んでいないということが判明し、メーカーが無料で修理してくれることになった。
ちなみに欠陥を放置して使い続けると発火の危険があるのだという。
メーカーのコールセンターは「ご連絡いただきありがとうございました」と極めて丁寧な対応だった。

少なくとも、修理の必要があるのだということを買主の方に説明すれば仕事としては事足りるかも知れないが、説明しても買主の方が修理の依頼を忘れてしまい、後で発火にでもなってしまったら大変だからこちらで修理の手配をしたのだが、今回たまたま判明したからいいものの、例えば設置状況によって型番すら分からないとなってしまえば、ここまでたどり着けなかった可能性もある。

そのあたりの責任分担の範囲は必ずしも明確ではなく、不明なままでやり過ごして事故が起こったら厳しい説明を求められることになってしまうだろう。

フィーに上限が有り、ふんだんに時間をかけられる訳でもない中で、責任の範囲が無限に広がるのは恐ろしいことだが、残念ながらスコープ・オブ・ワーク(仕事の責任の範囲)については無限に近いものがある。やはり可能な限り丁寧に対処することが必要だと痛感させられたところである。

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