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【不動産ヘルスチェック】周辺環境の変化にも気をつけよう

不動産というものは、動かすことができない。
地理的な位置は永久に変わらないからお隣はお隣である。

但し、隣の土地がどういう使われ方をされるのかと言うことを考えると、これは変化する可能性がある。
昔は田んぼだったところが今は家が建ち並んでいるとか、人通りが多かった商店街だったけど、いまではシャッター通りになってしまった。などというようなことは全国どこでもあるはず。

だから、自分のあるいは自社の土地をずっと同じ使い方をしていても、周りが変わってしまってその使い方ができなくなるといったことも現実には起きている。

少し町外れで中小の工場が経ち並ぶ地域では、経営環境が厳しくなったり後継者がいなくなって廃業したり、もっと広い土地を求めて移転するケースが多い。そうなると跡地の利用が問題になるが、製造業への新規参入は少なく工場としての買い手が少ないとなると住宅に転用されることが多い。工場の跡地の場合は数区画に分けられて分譲されるのが普通である。
そうなると、今まで工場同士が隣り合っていたところに住宅が隣り合わせになってしまったりする。隣同士が工場であれば騒音などはお互い様ということになるが、隣が住宅だとそうはいかず、クレームが寄せられることになってしまう。
こういう話になると「隣に工場があるのはわかりきっているのだから、後から来た方が我慢するのは当然だろう」といった意見を持たれる方が多いのだが、現実はそうでもなく、工場の側が自粛を求められることになる。
音の出る作業ができなかったり、残業ができなかったりで生産性が落ちてしまうと結局は移転や廃業に追い込まれることになってしまう。
現実にそういうケースは少なくない。

これからは住宅地でも空き家が増えていき地域の活動ができなくなる恐れもあるという。住む人がいなくなってしまって数年に一度町内会長をやらなければならないとか、地域の清掃作業などに人手がなくてままならなくなっているところもある。

ロードサイド店舗などはもっと激しくて、街道沿いの一等地が、新設道路の影響で通行がパタリとなくなってしまうようなこともある。

不動産は地域の環境の中にあって価値が生まれるものであるから、地域の動きあるいは将来を予測する必要があり、特に事業用の不動産については地域の状況をつぶさに観察して早めに動いておくことも必要である。
茹でガエルというか、ガラパゴスというか地域の中で浮いた状態になってしまうと身動きが取れなくなってしまう場合があることも意識に入れておくべきだろう。

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